PPI(Producer Price Index、生産者物価指数)

FOMC ファンダメンタル

生産者が販売する商品やサービスの価格動向を測る経済指標。

企業間取引や生産段階での価格変動を反映し、経済全体の物価やインフレ傾向を分析するために使われます。PPIは企業活動やコスト構造に密接に関わるため、消費者物価指数(CPI)などと共に、経済政策や市場分析において重要な役割を果たします。

PPIの重要なポイント:

  1. 測定対象: 製造業、サービス業、鉱業など多岐にわたる産業分野を対象に、出荷される商品やサービスの価格を記録します。
  2. 経済の先行指標: PPIの変動は、将来的なCPI(消費者物価指数)やインフレ率の指標として役立ちます。
  3. インフレの把握: 原材料や中間財の価格変動が反映されるため、物価上昇圧力を早期に見極められます。
  4. 政策決定に活用: 金融政策や経済政策の判断材料として中央銀行や政府が利用します。
  5. コスト管理への影響: 企業にとって、仕入れコストや価格設定戦略における指標として重要です。

ここで!!

PPIと卸売り物価指数は混同しやすいので注意が必要です。

アメリカの卸売り指標「Wholesale Inventories(卸売在庫)」

この指標は、米国の卸売業者が保有する在庫の水準を測定し、経済活動や需要動向を分析するために利用されます。具体的には、耐久財と非耐久財に分けて在庫状況を集計し、景気の拡大や後退を予測する材料として重要視されています。

PPIの対象範囲と相違点

  • PPIは、生産者間取引の価格変動を測定します(例:原材料、中間財、完成品)。
  • 卸売り指標は、卸売業者による販売価格や卸売市場における価格を中心に測定します。

取引の段階:

  • PPIは、供給チェーンの早い段階(生産者から販売業者へ)での価格を反映します。
  • 卸売り指標は、流通段階、つまり卸売業者から小売業者への取引段階に焦点を当てます。

価格形成の影響:

  • PPIは、生産コストや原材料価格の変動が直接的に反映されるため、コストプッシュ型のインフレ要因を見る際に使われます。
  • 卸売り指標は、供給需要バランスや流通コストが価格形成に影響を及ぼします。

つまり、PPIはより幅広い産業分野の生産者価格を包括的にカバーしているのに対し、卸売り指標は流通段階での価格を測定する点で異なります。それぞれ異なる目的で利用されることが多いですが、両方とも経済動向を分析する上での重要な指標です。

どうしても違いが解らないとき

・PPI生産者物価指数は実際に作った人が受け取る価格
・卸売り物価指数は店頭に出る前の価格(中間業者)

と憶えておけば良いかもしれません。

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